和田秀樹さんがラジオで発言したことの要旨をまとめたものです。次の通りです。
首相が靖国神社参拝することが、不平等条約(サンフランシスコ平和条約)に違反してしまう。
サンフランシスコ平和条約第11条では「極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の諸判決を受諾し」と書いてある。
日本は、独立を得るために、極東軍事裁判の結果は受諾するという条約を結ばされた。
国民としては、戦勝国が戦敗国を一方的に裁いたとか、あの裁判はインチキだ、とかいえる。
しかし、政府としては、そういうことはいえない。
ここで、何が重要かというと、あの裁判で死刑になった人たちは、戦死者とみなしてはいけないということ。
例えば、米軍人がどこかの国で、つかまって、軍法裁判で殺されたら、戦死者とみなす。つまり、その裁判を認めてないということ。
ということは、極東軍事裁判を正規な裁判と認めている限りは、戦死でなく、裁判死となる。犯罪を犯して、死刑になった人と同じ扱いになる。
ある時期までは、天皇陛下にしろ、首相にしろ、当たり前に靖国神社に参拝していた。A級戦犯が合祀される前。昭和53年。
A級戦犯を合祀してしまうと、戦死者でない人を、戦死者とみなすことになってしまう。
これは、条約違反ではないか。
サンフランシスコ平和条約は独立するために、無理やり調印させられたところがある。
首相が、堂々と靖国神社に行きたいなら、極東軍事裁判に対して、いろんな見解を持ちたいので、この条項だけカットして、新日米平和条約を結んでくれないか、というのが筋ではないか。
それを結んで、靖国神社に堂々と行けばよい。
信教の自由の問題でもない。A級戦犯が合祀される前は当たり前に行っていた。
問題は条約違反。
そんなことをしたら、日米安保条約が破棄されてしまうかもしれないというかもしれないが、台湾とアメリカは国交がない。が、台湾に対して中国が圧力をかけた時に、アメリカは軍艦をだしている。
日米安保条約で守ってもらおうとするのでなく、アメリカが守ろうと思うような国になることが大事。
日米安保条約で守ってもらおうとするから、不平等条約にびびり続けないといけない。
不平等条約を改正できるように努力するのが国のトップの仕事だと思う。
そういう人に首相になってほしい。アメリカ大統領と日本の首相は同格。それが国際秩序。
以上要旨
和田さんの話をきいて、なるほど、そういう見方もあるのかと、新鮮な感覚でしてた。
A級戦犯(戦争遂行の張本人たち)に対して、哀悼を表すること自体のみが問題だと思っていました。
合祀してしまったのがまずかったですね。